新卒の離職率は3年以内に3割?!定着率を高めるための方法とは

採用活動や内定辞退の回避など、様々なことに対策をとったのにも関わらず、新卒が離職してしまうという状況になっていませんか?新卒が離職してしまうと、今まで人材採用にかけてきた時間や費用が、無駄になってしまいます。また、自社の従業員が不足してしまう。そうなるのは避けたいですよね。この記事を読んで、新卒が離職する理由・対策を理解しましょう。

目次[非表示]

  1. 1.新卒の離職率~3年以内に3割が離職~
  2. 2.新卒が離職する理由5選
    1. 2.1.仕事が自分に合わなかった
    2. 2.2.人間関係がよくなかったため
    3. 2.3.労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため
    4. 2.4.賃金がよくなかったため
    5. 2.5.ノルマや責任が重すぎたため
  3. 3.業界別に見る新卒の離職率
  4. 4.新卒の定着率を上げるためには
    1. 4.1.福利厚生を充実させる
    2. 4.2.休暇を取得しやすい環境を作る
    3. 4.3.メンター制度を導入する
    4. 4.4.多様な働き方を認める
  5. 5.まとめ

新卒の離職率~3年以内に3割が離職~

「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」(厚生労働省発表)によると、新規学卒者の離職状況には二つの特徴があります。まず一つ目は、卒業後、3年以内で3割が離職する傾向にあることです。2017年(平成29年度)の離職者は、大学卒業後1年目で10%、2年目で20%、3年目で30%と増加しています。ここ10年でみても、「3年で3割離職」という状況は変化していません。二つ目は、学歴が低くなるごとに新卒の離職率は上昇することです。高卒・短大卒は3年目に40%近くが離職していて、中卒は3年目に60%近くが離職しています。

参考:「学歴別就職後3年以内離職率の推移」(厚生労働省発表)



新卒が離職する理由5選

では、新卒が離職する理由とはなんでしょうか。「子供・若者の意識に関する調査」の「初職の離職理由」(2017年内閣府実施)では、以下のような結果となっています。

 第1位.仕事が自分に合わなかったため(43.4%)
 第2位.人間関係がよくなかったため(23.7%)
 第3位.労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため(23.4%)
 第4位.賃金がよくなかったため(20.7%)
 第5位.ノルマや責任が重すぎたため(19.1%)
 
このように、新卒は良好な仕事環境や労働条件を求めて離職していることが多いです。離職率を上げないために、企業側は、仕事環境や労働条件について見直す必要があります。では、離職理由について一つずつ見ていきましょう。


仕事が自分に合わなかった

1番多い離職理由にもなっていたように、多くの新卒者は、業務を通して仕事が自分に合っていないと感じています。例えば、

 「仕事内容が自分の苦手分野できつい」
 「仕事にやりがいを感じない」
 「そもそも自分のやりたいことではない」

このように、新卒社員は業務を通して、仕事と自分の相性をみます。入社前の「仕事のイメージ」であったり、仕事内容が自分のやりたいことに繋がるのか、などを基準にみています。その際に彼らは、仕事に対する「理想」と「現実」のギャップを感じてしまっているのです。その結果、働くモチベーションが下がり、離職をしてしまいます。これは、採用活動時の情報の齟齬・開示不足が原因だと考えられます。

人間関係がよくなかったため

同僚、上司、取引先の方など、人間関係を構築する対象は増え、年齢層が広くなります。その様々な人間関係の中で、よくなかった事例がいくつも挙げられます。

・上司からのパワハラ、セクハラなど
・職場内いじめ
・仕事の無理な押し付け
・職場内の雰囲気が最悪

新卒者は、今までとは違う環境になり、コミュニケーションの取りづらさを感じています。また、年齢層が広くなったことで、ジェネレーションギャップが生じ、昔は普通だったことが今でパワハラに捉えられてしまうのです。新卒者で新入社員という、会社の中で1番弱いの立場で、他の人にに抗議や反抗するのは難しいことです。結果、悪い人間関係から抜け出すために、離職をするという選択をします。


労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため

こちらは、新卒者の希望していたもの、イメージしていたものとは違ったという声が多いです。新卒者の企業調べ不足、企業側の具体的な情報開示不足が原因だと考えられます。

今日、ワーク・ライフ・バランスや労災への関心がより高まっています。残業や休日出勤の頻度が高めだと、過労により様々な問題が引き起こります。例えば、過労で鬱になる、疲れにより仕事が捗らない、介護や育児の両立ができないなどの問題が挙げられます。そのため、労働時間、休日、休暇などの条件、は離職するかどうか重要な判断基準の一つなのです。


賃金がよくなかったため

仕事内容や労働時間に、見合う賃金が支払われていない事例が多いです。他にも、残業時間分の給与が十分ではなかったり、給与支払いの遅延などもあげられます。賃金が低いと生活していく上で困難になってしまいます。そのため、いくらやりがいのある仕事、好きな仕事であっても離職をしてしまうのです。


ノルマや責任が重すぎたため

覚えたての仕事をこなしていく中で、高すぎるノルマを課されたり、責任重大なものを任せられるのは、新卒者にとって心身ともに苦痛をともないます。
自分の技量にあったノルマなら良いのですが、過大なノルマを課すことは、新卒者のモチベーションを削ぎかねません。また、責任が重い仕事を任せるのは、新卒者にとってプレッシャーとなり、ストレスを感じてしまいます。このように、仕事に対するやりがいではなく苦痛を感じてしまい、離職をしてしまうのです。
新卒者が一人前の社員となるためには、しっかりと段階を踏んで、仕事を任せる必要があります。そうすれば、新卒者はプレッシャーも感じず、「この会社でなら成長できる」と思ってもらえるはずです。



業界別に見る新卒の離職率

出典元:「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒)


業界によっても離職率は異なります。こちらは、2020年に厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒)」です。

 第1位 宿泊業・飲食サービス業(52.60%)
 第2位 生活関連サービス業・娯楽業(46.20%)
 第3位 教育・学習支援業(45.60%)
 第4位 小売業(39.30%)
 第5位 医療、福祉(38.40%)

これらの業界に共通することは、「人と多く関わる職業」だということです。そのため、人間関係の悪化などにより離職をする可能性が出ます。また、第1位の宿泊・飲食サービス業は、ノルマが指定されていたり、時間外労働など強いられる場面があり、離職理由になるものが多くあります。
一方で、同調査によると、「電気・ガス・熱供給・水道業」においては、3年以内の離職率 が10%と低水準です。この理由として考えられるのは、人と関わるよりも作業時間の方が多いため人間関係のストレスが少ないという点です。また、ノルマ指定ではなく安定供給を目標にしているため、仕事に対するストレスを比較的低いのも理由の一つだと考えられます。



新卒の定着率を上げるためには

では、新卒の定着率を上げるためには、具体的に何をすれば良いのでしょうか?今回、こちらの方法を紹介します。

    • 福利厚生を充実させる
    • 休暇を取得しやすい環境を作る
    • メンター制度を導入する
    • 多様な働き方を認める

これらの方法を使用することで、新卒者のモチベーション・仕事の生産性を上げ、定着率のアップに繋がります。しかし、自社の離職率が高い理由・原因を把握したうえで、対策をとることが重要です。そうすることで、自社に適した方法を見つけ、対処し、離職率を下げることができます。


福利厚生を充実させる

新卒社員は働き始めて、「自分はこの会社で長くやっていけるのか」など、自身の将来性に不安を感じます。その不安をなくし、自社での定着率を上げるためにも、福利厚生を充実させる必要があります。福利厚生は、社員の生活、健康を補助します。例えば、

・家賃の補助・手当
・健康診断の費用負担
・食事補助
・余暇施設の割引

などが挙げられます。負担の軽減、適度なリフレッシュにより、社員の仕事のモチベーションが上がり、働きやすい環境ができます。そうすることで、会社の満足度が上がり、社員の精神的安定、雇用の安定性につながるでしょう。
しかし、全ての福利厚生を充実させるのは難しいです。そこで、ニーズが高いものを優先的に取り入れる必要があります。そのためには、従業員の求めるものを知り、意見や要望に寄り添いましょう。


休暇を取得しやすい環境を作る

働きづめな日々が続いてしまっては、社員は疲労してしまいます。その結果、クリエイティブなアイディアが浮かばないのに加え、仕事の生産性も落ちてしまいます。新卒社員なら、このような状況になりやすいのは当たり前です。新しい環境下での業務は、慣れない事が多く、疲労も普通の社員より倍のはずです。心身ともにリフレッシュするためにも、休暇は欠かせません。休養をしっかりとれれば、仕事の生産性もアップし、新卒の仕事へのモチベーションも高まり、定着率もアップするでしょう。そのためにも、休暇を取得しやすい環境を作ることが必要です。

新卒が休暇を取得しやすくするために、上層部の社員も率先して休暇を取りましょう。上司が率先して休暇を取ることで、部下の休暇を取ることに対する遠慮はなくなり、「個人が休暇をとるのは当たり前!」という休暇取得の風土作りにつながります。


メンター制度を導入する

新卒は会社に入り、様々な悩みが増えることが予想できます。仕事のこと、人間関係などについてです。しかし、会社に相談相手が必ずいるとは限りません。悩みを相談できないと、自分の中に不満やストレスを溜め込んでしまい、精神的ダメージが仕事に支障をきたしてしまいます。そして、耐えられなくなったときに、離職してしまいます。そうならないためにも、悩みや不安を放出する場として、メンター制度の導入が最適なのです。

メンター制度でメンティーをサポートするのは、新卒と年齢や社歴が近い人、直属の上司ではない先輩のため気軽に相談することができます。また、新卒は悩みを共有することで、精神的負担が和らぎ、職場環境への適応力が高まります。このメンティー制度が、新卒の人間関係の形成と精神面のサポートに大きく貢献するでしょう。


多様な働き方を認める

多様な働き方を認めることによって、社員の士気を高め、心身の健康状態をよくすることができます。多様な働き方の例として、

・フレックスタイム制
・テレワーク
・副業、兼業を認める
 
などがあります。自由に時間や場所を決められることで、ストレスのない環境で仕事ができるため、心身の疲労感を軽減することができます。そのおかげで、日々の仕事の生産性が上がると同時に、社員の会社の満足度も高くなるでしょう。



まとめ

以上、新卒が離職する理由とそれに対する対策を紹介しました。企業の仕事内容や条件が合わなかったり、人間関係が悪いなどのミスマッチが、離職する主な理由としてあげられました。これらは、仕事を続けていくには難しい要因となります。優秀な人材を自社に置いておくためにも、新卒の意見や悩みなどに早めに耳をかたむける必要があるのです。
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