セミナーアフターレポート

新卒採用マーケティング支援施策を提供する学生就業支援センターでは定期的にオンラインセミナーを行っています。
今回は2021年1月27日に行われた「認知度が低い企業が採用効果を3倍にする方法」セミナーの内容について、当日使用した資料を基に内容を紹介します。

セミナーアジェンダ

他社に負ける理由とメカニズム

採用活動は対学生向けの取り組みですが、他社との競争でもあります。
採用マーケティングで用いられるリクルーティングファネルにおいてのボトルネックを明確にし、打つべき施策・採用ブランディングの重要性について解説をしています。

勝つための採用戦術

リクルーティングファネルにおける、認知を獲得し、興味をもってもらう、応募してもらう、選考に進んでもらう、内定を承諾してもらう、というそれぞれの段階においての戦術を、
・ターゲットを絞る
・情報を継続的に提供する
という2つの要素について、ランチェスター理論を例に出し、局地戦での戦い方を解説しています。

『セミナーに参加できないけど、当日の資料を送っていただきたい』、などのご要望を多くいただきましたので、今後もセミナーアフターレポートというカタチで情報をご提供できればと思っております。
セミナーに参加していただいた方は復習も兼ねてご覧いただければ幸いです。

はじめに

早速ですが、採用も営業も同じなんですよね。

採りたい学生を獲るためには、競合他社がいて、競合他社に勝たなければいけません。
つまりは、負けている要因などを把握したうえで、勝つための戦術が必要となります。
今日はそういった内容をお伝えしていきます。

1:他社に負ける理由とメカニズム

採用ファネルと一般的な施策

まずは皆さんが行っている認知・興味フェーズで行っている母集団形成の施策について整理していきましょう。
ナビや合同説明会、学内セミナーや中規模の採用イベント、または、最近ユーザーが増えているダイレクトリクルーティング等を活用している方が多いのではないでしょうか?
こういった一般的な施策ですが、利用していて本来得たい効果は上げられていらっしゃいますでしょうか?
おそらく費用対効果は年々下がっているのではないかと思います。
こういった施策の中の細かい改善、例えばナビの原稿をなおすとか、イベントで使用するツールを変えるとか、スカウトメールの文面を変えるとか、イベントの参加回数を増やすだけでは、採用成果を大幅に改善したり、競合他社に勝っていくことは難しいでしょう。

採用ブランドと入社意欲は相関関係

採用ブランドは入社意欲に相関しています。
この表は、入社意欲と採用ブランド力の相関関係を示したものです。縦軸が入社意欲、横軸が採用ブランド力ですが、採用ブランド力が高いほど、入社意欲が高くなるという相関がみられます。
先ほどの各種採用施策を否定するのではなく、認知度を上げたりブランディングが出来ていれば、それらの施策の効果を向上させることができるということです。
そもそも知られていない会社は見つけられもしないし、選ばれません。

リクルーティングファネル

ではその採用ブランドはどこで作られているのでしょうか。
大手企業等であればそれは就職活動以前の日常生活で目にするCMや雑誌、TVでの露出などです。それらが会社名を認知させることに繋がり、それらは就職活動初期に想起されるきっかけになります。そして、認知やブランドイメージはエントリー後の志望度にも影響してきます。

ブランド・知っているの中身

もちろん、予算や扱う商材によっては大手企業さんと同じようにはいきませんし、単なる認知だけでは、入社志望度の向上などに繋がっていきません。
認知度の高い企業でも、働くイメージを持たせることが出来ていないがゆえに、エントリーまで繋げられていない企業も多くあります。具体的には、段階に応じた魅力訴求が必要ということです。

検索行動を促すためには会社名や商品名を認知してもらう必要がありますし、より知りたいときっかけを作る為には、ユーザーの声や外部評価を提供する必要があります。事業内容や独自性、社風なんかを伝えることで、より具体的に入社後のイメージを形成することが、エントリー~選考、入社に繋げるまでの他社との比較検討段階で優位に立つためのポイントとなります。

採用で負ける理由

結論としては、エントリーなど母集団で負ける理由は、認知。選考中の比較検討で負ける理由はブランディングです。
認知やブランディングを継続的に実施をしていないと、短期間で、その遅れている分を取り返さなくてはなりません。
そうすると、例えば認知を取り返すために合同説明会、検索上位表示やDMなど費用対効果が悪い施策を取らざるを得なくなったり、遅れてブランディング、魅力訴求をしようとすると、総合的に更なるコストがかかってしまいます。
当たり前のことなのですが、多くの採用担当者は、効果が見えにくいブランディングよりも、ナビやイベントなど接触数を基準に費用投下していきます。
入社に近いフェーズの施策により力を入れがちなのが現状じゃないでしょうか。

負ける理由とメカニズム

一般的にナビや合同説明会で認知や興味喚起を始めようとしている企業は、すでに遅れている為に、ナビや合説の効果も高められず、採用成果まで費用対効果が悪化していきます。
成功する企業はナビ解禁のタイミングより前に、Web広告やターゲティング広告、メディア発信など認知、興味関心を育てる活動に力を注いでいます。
結果的に、その認知や興味関心の大きさが人気企業になる要因であり、反対に、それらができていないと、採用ファネルの後半にあたる、応募や選考などの数値にも悪影響をもたらし、失敗してしまうのです。

お分かりの通り、認知やブランディングは採用全体への波及効果から考えるとすごく重要です。
しかし、誰もが大切と分かっていても、多くの採用担当者が、実行できないポイントでもあるのです。そういう意味では、戦う前から負けていることをわかっていない状態です。
これが負け続けるメカニズムとなっています。

次の章では具体的にどうやって戦っていく必要があるのかについてお伝えしていきます。