2021年採用市場の動向は?採用活動で成功するために必要なこと

2020年から採用市場は大きく変化しました。その中で、採用成功には市場の変化を捉えることが必要です。変化を捉えることができなければ、人手不足解消はおろか、求める人材の採用も望めないでしょう。この記事では、市場の変化と変化に対応する様々な手法を紹介します。採用活動に活かし、成功させましょう。

目次[非表示]

  1. 1.採用活動の成功には市場動向の把握が欠かせない
  2. 2.2020年はコロナの影響で求人倍率が低下
    1. 2.1.雇用保険法の改正による影響
    2. 2.2.採用のオンライン化が進んでいる
  3. 3.採用の手段は複数持とう
    1. 3.1.ダイレクトリクルーティング
    2. 3.2.ソーシャルリクルーティング
    3. 3.3.リファラルリクルーティング
    4. 3.4.オウンドメディアリクルーティング
    5. 3.5.ファストリクルーティング
  4. 4.人材採用で成功するために必要なこと
    1. 4.1.採用の目的を明確にする
    2. 4.2.求める人物像を明確にする
    3. 4.3.自社の強み・企業ビジョンを明確に
    4. 4.4.採用基準を見直す
    5. 4.5.内定後もフォローする
  5. 5.まとめ

採用活動の成功には市場動向の把握が欠かせない

採用活動を円滑に進め、成功させるには、市場動向を把握することが大切です。採用市場は毎年変化しています。その市場の変化を掴むことができれば、いち早く、採用活動の方法を定着させることができます。そして、ピンポイントで自社が求める優秀な人材を、より多く採用することが可能になります。では、近年の採用活動の市場動向を見ていきましょう。



2020年はコロナの影響で求人倍率が低下

求人倍率を見ることで、現在の景気の状況が分かり、今後の人材採用の対策に役立てることができます。

では、下のグラフをご覧ください。こちらは、平成20年度から令和3年度1月までの求人、求職及び求人倍率の推移を表したグラフです。平成21年度はリーマンショックが原因で、求人倍率がガクンと落ち、就職・転職が難しい年でした。そこから徐々に回復をしたものの、令和2年に再び求人倍率の低下が見られます。この主な原因は、新型コロナウイルスの流行です。それでも、求人倍率は1.0倍を超えているため、売り手市場が続いています。さらに今後、コロナ禍の失業者が、新たな求職者としてより市場に出てくることが考えられます。その中で、自社とマッチする優秀な人材を確保するためにも、いかに求職者に自社の企業活動や求人に興味を持ってもらえるかが重要になってくるでしょう。


参考:厚生労働省「求人、求職及び求人倍率の推移」

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00051.html


雇用保険法の改正による影響

次に、雇用保険法について紹介します。まず、雇用保険法とは、失業したときに次の就職時までに受けられる必要な給付について定めたものです。雇用保険は、2020年に一部改正されました。そのうちでも重要な2つは以下の通りです。

① 高齢者の就業機会の確保及び就業の促進が求められる(定年を65歳から70歳に引き上げ
少子化による人手不足により、新たな人材を採用する労力が必要でしたが、定年引き上げを取り入れることで、引き続き優秀な人材を会社で雇用することができます。また、「長く働ける職場環境」として良いイメージづけが可能です。

②中途採用比率の公表が義務付けられた
職場情報を可視化することで、中途採用を希望する求職者とのマッチング率の向上が期待できます。

どれくらい被雇用者に寄り添う企業なのかも、求職者の企業選びの観点の一つになります。そのため、企業側はこれらの改正にいち早く対応する必要があります。


採用のオンライン化が進んでいる

最後に、近年の市場動向での最も大きな変化といえば、採用のオンライン化です。コロナ禍になり、よりオンライン化が注目されています。例えば、企業説明会や面接なども、オンライン上で行われるようになりました。多くの企業がオンライン上で採用活動を行なっており、求職者の中でも新常識として浸透しています。オンラインで採用を行うことにより、業務の円滑化が可能になりました。今までは採用活動の「量」のみに充ててきたものが、時間やコストの削減により、採用活動の「量」と「質」の向上の両方に充てることができます。そして、オンライン化により採用に関する情報がデジタルデータとして蓄積されます。そのデータを分析することにより、企業に合う人材の発見や見極めが可能になりました。



採用の手段は複数持とう

現在はオンラインでの情報収集の方法が増え、求職者も情報収集のリテラシーが向上しています。そのため、単一採用手段だけでなく、複数の手段を利用した方が、採用活動を成功しやすくなります。それぞれの採用手段には利点・留意点があります。それを考慮したうえで、複数の手段を適正に使うことにより、より求める人材に近く、多様な人材を採用することができます。それでは、具体的な採用手段について、メリット・デメリットを紹介していきます。


ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業側から直接、求職者にアプローチをする手段です。まず、企業が自社について、強みや仕事内容を開示して求職者に興味を持ってもらいます。そして、自社に興味がある人や自社が求める人材に、メールやSNS、サイト等を通じて、企業側からコンタクトを取ります。

■メリット
・自社にマッチした人材を採用しやすい
・人材採用の費用が抑えられる

■デメリット
・採用するまでの時間がかかる
・業務量の増加

自社が求める人に直接コンタクトをとるため、普通の面接と違い、企業にマッチしている人材の採用が容易になります。また、一人当たりにかかる費用も抑えることができるのです。
しかし、採用までの工数が増える上に、全てを自社で対応するため、時間的コストがかかります。そのため、担当者の分担などしっかりと考慮する必要があります。ダイレクトリクルーティングを成功させるコツとしては、担当者の中で求職者の情報整理、情報共有をおこなうことです。


ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングは、SNSをとおして求人の掲載などをする方法です。今日、多くの人が使っているSNSは、どのメディアよりも身近なものになっています。

■メリット
・自社に興味のある人材を見つけやすい
・企業のPRを身近なところでできる
・求職者とコンタクトを取りやすい

■デメリット
・炎上する可能性がある
・定期的に更新が必要
・短期的な採用活動に不向き

SNSは、ユーザーの興味に合わせて自動的におすすめを出しています。そのデータをアカウントで管理すれば、誰が自社に興味を持っているのか簡単に見つけることができます。そして、SNSが身近なものであるのを活かして、企業のPRや求職者とのコンタクトも気軽にできます。
しかし、SNSは多くの人が利用しているため、発信をする際には炎上することに十分な注意を払う必要があります。軽率な発言や差別的な表現の投稿が、炎上の火種となります。また、認知度を上げるためにも定期的な投稿の更新が必要です。そのため、長期的な業務が必要となり、短期的な人材募集には向いていません。
SNSはそれぞれ、利用者層が違います。その利用者層を考慮して使い分けると、より上手くソーシャルリクルーティングができるでしょう。


リファラルリクルーティング

リファラルリクルーティングは、自社の社員に人材を紹介してもらう方法です。紹介者には報酬金が渡されます。

■メリット
・企業とのマッチング率の向上
・時間とコストの大幅削減
・転職潜在層の採用が可能

■デメリット
・不採用時の人間関係の悪化
・紹介者が退職した場合のモチベーションの低下

自社をよく知る者に紹介をしてもらうことで、転職市場外を含む、企業のマッチ度・定着度が高い人材の採用が可能になります。そして、人材採用のための時間やコストの削減も望めます。
一方で、双方の信頼関係によって成り立つこの方法は、推薦した社員が辞めた場合、推薦された側のモチベーションが低下し、同様に退職してしまう可能性があります。また、紹介された人が不採用だった場合、今後の対人関係が悪くならないようにアフターケアが必要です。この方法は、本格的に運用している会社は少ないですが、デメリットの課題を改善することで利用する会社はより増えるでしょう。

オウンドメディアリクルーティング

オウンドメディアリクルーティングとは、ウェブサイトなどの自社が持つメディアを通して情報を発信する方法です。

■メリット
・自社に興味がある、潜在的人材が見つかる
・自社を存分に売り込める
・ミスマッチの減少
・認知度を上げることができる

■デメリット
・マーケティングやサイト運営の能力が必要
・短期的にみるとコストがかかる
・認知度をあげるのに時間がかかる

自社が持つメディアを使用するため、制限がなく存分に自社の魅力を発信できます。そのおかげで、双方の希望などの魅力を感じ興味を持った求職者を見つけやすくなるのです。それに加えて、自社の認知度を上げることもできます。しかし、自社のメディアを見てもらわないと意味がなく、認知度を上げるのに時間がかかります。この方法をするには、マーケティングやサイト運営などのノウハウが必要なので、担当者の能力がとわれます。また、時間・費用において短期的な採用活動には向いているとは言えません。
社が所有するメディアが出来上がれば、活動範囲が広がります。デメリットはありますが、時間やコストなど自社投資の一つとして捉えれば、長期的に利用できるでしょう。


ファストリクルーティング

ファストリクルーティングとは、求人検索エンジンや、Google、Facebookなどの広告を利用して自社のホームページの広告へ誘導し、応募者を得る方法です。こちらは比較的新しい採用の手段です。

■メリット
・データ分析により最適な人材を見つけることが可能

■デメリット
・短期的な採用活動には不向き
・広告掲載のコスト
・ウェブ広告に関する基礎知識が必要

こちらの方法は、ウェブに関するノウハウが必要とされ、コストや時間がかかるのが難点です。しかし、蓄積したデータを整理・分析すれば自社の求める人材を素早く簡単に見つけることができます。そして、長期的に利用すればこの方法が自社の採用活動の方法の一つとして定着するでしょう。



人材採用で成功するために必要なこと

人材採用を成功させるには、採用活動が軌道に乗り、紹介した採用手段を定着させる必要があります。では、それらを定着させるためには何が必要となるのでしょうか。それは、採用の目的や企業のビジョンをはじめとする土台です。これは、企業が見落としがちな点であり、採用活動を成功させるために必要な点でもあります。以下の文章を読めば、何を見直せば良いのか分かるでしょう。


採用の目的を明確にする

まずは、採用の目的を明確にする必要があります。目的は今後、採用活動するにあたって軸となるものです。その軸から外れなければ、よりスムーズに最適な人材を見つけることができます。「企業のグローバル進出をしたい」、「会社の営業功績を上げたい」、「斬新なアイディアを出して、今の状況から脱したい」など、目的は様々です。その目的に合ったビジョンや手段を明確にしていくことは、採用活動を成功させるための必要な工程の一つです。


求める人物像を明確にする

目的を明確にしたら、その目的に合うような人物像を明確にしましょう。どんな能力を持っているか、年齢、経験など具体的なものを明確にしましょう。もし、人物像が不明確であれば、採用活動のターゲティングが難しくなり、採用活動に要する時間が多く必要になります。また、会社と合わなかったために、仕事が捗らず、退職するという可能性も高くなってきてしまいます。そのため、人物像を明確にすることにより、確実に必要な人材を見つけましょう。


自社の強み・企業ビジョンを明確に

次に、自社の強みと企業ビジョンを明確にしましょう。これらを明確することで、自社をアピールしやすくなり、求職者に魅力が伝わりやすくなります。そこから、自社に興味がある、または自社の強みやビジョンに合う求職者の母集団を形成することができます。その中で採用を行うため、企業とマッチした人材を簡単に、発見・採用することができるのです。今日の採用活動では、いかに求職者に企業の魅力を伝えられるかがポイントです。そのため、この過程は採用活動を行うにあたって、重要な役割を果たします。


採用基準を見直す

市場動向、これまで明確にしてきた人物像や、企業ビジョンに合わせて、採用基準を見直しましょう。これまであった基準が必要なものか取捨選択をすると同時に、必要であれば新しく基準を作ります。例えば、仕事の「スキル」や「経験値」は求職者の実力を知ることができます。また、「志向性」や「人間性」は会社と求職者の相性をみることができるでしょう。基準を見直すことで、企業に適した人材をより確実に選べます。また、今までは見落としていた人材の発見が可能になります。そして、市場動向にも注目した上で見直すことで、採用活動の失敗を防ぐことができるでしょう。


内定後もフォローする

採用活動は、内定を出して終わりではありません。内定後も、しっかりと気を配れるかが、採用活動が長期的に成功する鍵となります。例えば、内定辞退を防ぐために、内定者とコミュニケーションを取ることが大切です。また、座談会や内定者研修を開くことで社内の雰囲気を入社前に知ってもらえます。内定者は自社以外にも、内定をもらっている可能性があります。ここで、重要なのはいかに内定者の不安を無くせるかです。しっかりと、内定後にもフォローをすれば、内定辞退を防ぎ、入社後の定着度アップも望めます。




まとめ

採用市場は、オンライン化やコロナの影響で、採用スタイルが大きく変わりました。今までは、広告を掲載して、求職者が募集してくるのを待つ「受け身」の姿勢でした。しかし、そこから企業側が求職者にアプローチをする「攻め」の姿勢に変わっています。そのような中、いかに求職者に企業の「魅力」を知ってもらうかが重要です。今一度、自社の採用活動に視点をおいて改善点を見つけ、採用活動を成功させましょう。

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