リクルーターとは?メリット・デメリットと導入の手順を紹介
みなさんは「リクルーター」という言葉を聞いたことはありますか?
一般的に、人材採用を専門とする人のことを指します。近年、優秀な人材確保のため、このリクルーター制度を導入する企業が増えてきているというのをよく耳にします。この制度にはどういうメリットがあるのでしょうか。また、導入する際の注意点はなんでしょうか。この記事では、リクルーターに興味がある企業向けに“いろは”から分かりやすくお伝えします。
目次[非表示]
- 1.リクルーターとは
- 2.リクルーターの役割
- 2.1.質の高い母集団の形成
- 2.2.求職者への企業プロモーション
- 2.3.志望度の向上
- 2.4.面接官
- 2.5.内定辞退の防止
- 3.リクルーター導入のメリット
- 4.リクルーター導入のデメリット
- 4.1.企業側のデメリット
- 4.2.応募者側のデメリット
- 5.リクルーター導入の手順
- 5.1.リクルーター制度の構築
- 5.2.リクルーターの選定・育成
- 5.3.リクルーター活動の実施
- 6.まとめ
リクルーターとは
企業によって定義は若干異なりますが、一般的に「新卒採用」の担当を専門とする人のことを指します。就活生が親しみを感じやすいように、入社数年目の比較的若い社員が担うことが多い傾向にあります。
リクルーターの役割
リクルーターは、企業採用前に唯一、新卒者と直接アプローチできる人物と言っても過言ではありません。そのため、自社が求めている人物像をしっかりと把握し、企業が求める人材を確保していかなければなりません。
リクルーターにはどのような役割があるのでしょうか。以下でじっくりみていきましょう。
また、企業によってはリクルーターが担う役割が異なることもあります。ここでは一般的な役割をご紹介していきます。
質の高い母集団の形成
リクルーターが最初に担う業務として、“人を集める”という役割があります。
自社で働きたいと思っている人、自社で働いてほしい人材を一人でも多く集められるようにアクションを起こす必要があるのです。
ただ単にたくさんの人を無作為に集める(量)のではなく、自社が求める人物像に合う人材(質)をより多く集める「質の高い母集団の形成」ということが大切です。
「どういう人材に入社してほしいか/興味を持ってもらいたいか」というのを社内で具体的に吟味し、その定義をリクルーター同士が共通認識として持っておくことが必要です。これを怠ると、人数だけは集まっても、自社とのマッチングがうまくいかず、結局は大量離職につながるリスクがあるからです。
まずは候補者を集めるというタイミングで適切な「母集団形成」を行いましょう。
求職者への企業プロモーション
自社で企業説明会を実施する場合、そこに割ける従業員や時間はどうしても限られてしまいます。企業説明会は例えるなら「学校の授業」です。一回で大人数の求職者を相手に自社をPRするわけですから、企業側からの一方的な情報発信になりやすく、企業の魅力や内容が十分に伝わらないまま説明会を後にする求職者も残念ながら現れてしまいます。
一方、リクルーターは「家庭教師」のように求職者と1対1で対話をすることができるため、相手が知りたい情報を直接伝えることができるのです。また自社に対する求職者の理解度や興味についても把握できるので、効果的なプロモーションを行うことができるのです。
リクルーターは求職者が求めている情報を的確に提供しつつ、相手にも自社の魅力をPRするという、ある意味、広告塔のような役割を担っている部分もあるのです。
志望度の向上
自社に応募してくる求職者の中で、「この企業1社だけしか受けない!」という人は至極まれです。一般的には、多くの求職者が複数の企業の情報を収集し、その中からエントリーする企業をある程度選んで応募してきます。
つまり、採用競争は求職者側だけでなく、企業側にもあるということです。
「2021年卒学生就職活動意識調査レポート」によると、学生が企業について知りたい上位2つは、「具体的な仕事内容」「社風・社内の雰囲気」です。リクルーターを通じて、これらのニーズに応えていくことで、求職者の志望度を高めることができます。
求職者の志望度を向上させるために全力でPRするという役割をリクルーターは担っているのです。
面接官
リクルーターは、人を集めるだけでなく、実際に面接を担当することもあります。
一般的な面接選考(採用面談ともいう)だけでなく、「採用とは直接紐づかない」という名目でカフェなどで飲食をしながらじっくり話して、企業にマッチする人材であるかを判断する(いわゆるリクルーター面談)ということもあります。企業によってはこの二つの手法を意識的に使い分けるという採用フローを取っているところもあるようです。
面接選考は、志望度の高い候補者を中心に集めることができます。一方、採用とは関係ないという名目で開催する面接には、求職者にとって面接選考よりも比較的低いハードルとなるため、志望度がそこまで高くない候補者も集めることができます。人数自体を集めたいという時は効果的な手法です。
一方、リクルーター面談を採用する企業では、その評価結果によっては、一次や二次試験が免除されるなど重きを置いている企業もあるようです。
リクルーターには、自社が求める人材をしっかり把握し、選抜するという面接官としての役割もあるのです。
自社ではどのような採用フローが効果的か、ぜひ検討してみてください。
内定辞退の防止
リクルーターの大事な役割に「内定者フォロー」があります。
新卒採用の場合、内定を出してから実際に入社してもらうまで、長くて1年ほどのスパンがあり、入社するまでに内定辞退者が出ることも珍しくありません。
実際、「就職みらい研究所」の調査によると、2020年3月卒業時点の内定辞退率は66.9%と、内定をもらった人の実に2人に1人が内定を辞退しているのです。このことからも分かるように、内定者とコミュニケーションを定期的に図り、入社に対する不安感をできるだけ払拭することが大切なのです。
引用:就職みらい研究所(2020年3月30日時点)
リクルーターは、内定者との定期的な連絡だけでなく、現役社員との交流を企画するといったフォローを積極的に行い、内定辞退者を防止する役目を担っているのです。
リクルーター導入のメリット
これまでリクルーターの役割について説明してきましたが、ここからは実際に導入する時に覚えていてほしいメリットを企業側と応募者側の目線でそれぞれご紹介します。
企業側のメリット
企業側がリクルーターを導入することで生まれるメリットは主に二つあります。
1:優秀な人材にいち早くアプローチ
近年、人手不足と相まって、自社が求める人材確保に向けて様々な企業が早期から採用活動を展開しています。就活ルールに則り、毎年3月1日の就活解禁に合わせて採用情報の公開や企業説明会などを展開していきたいところですが、そうすると面接開始に時間がかかったりすると、他社に遅れを取り、優秀な人材が他社に流れるリスクがあります。
その点、リクルーター制度は早期活動が認められているというのが大きなメリットの一つといえるでしょう。一般的な面接開始が6月だとすると、リクルーターは早期に応募してきた人たちのプレエントリーやエントリーシートから気になる人材に一足先に直接アプローチできるのです。採用市場の難題を打破すべく、優秀な人材と早くつながり、自社とのコネクションを構築しておくことができる重要な存在なのです。
2:求職者の素顔を引き出す機会に
面接選考では、一人の応募者に対して複数人の面接官が質問するというのが一般的です。そうなると、応募者は緊張から萎縮し「思うように話せなかった」ということも少なくありません。それは企業側にとっても、相手を深く理解できていないことにもなり双方にとってプラスには働かないことがあります。
しかしリクルーターがカフェなどで行う面談は、リラックスできる環境で応募者と対話できるため、堅苦しい面接よりも本音を引き出しやすいだけでなく、事前に提出された情報にはなかった相手の価値観や特性といった面も知ることができます。それは採用だけでなく、部署配属の際の判断材料としても大いに活用することができるのです。
ほかにも応募者との何気ない雑談から就活生のトレンドを把握することもできるので、その後の採用活動に活かせる情報も得られる可能性があります。
応募者側のメリット
応募者側のメリットも主に二つあります。
1:企業への理解度アップ!
企業説明会など大人数を相手に行われるイベントは、その企業に興味・関心があってもなかなか直接質問をしたり、担当者とコミュニケーションを図ったりすることが難しいため、疑問が解消できないなどのデメリットがあります。
一方、リクルーターによる面談では、直接疑問をぶつけることができるため、理解度がより深まるだけでなく、入社後のミスマッチも防ぐことにもつながります。面談時には企業説明会などでは収集できないような内情も教えてくれたりするので、肌感覚でその会社を知ることができるのです。
2:就活が円滑になる
就活解禁は3月1日ですが、その後、面接選考などは通常6月頃に実施されます。次の選考ステップに行くのに時間がかかるところを、リクルーター導入の企業では、リクルーターが解禁日から早期に面談を行います。企業側が選考のステップを省略することがあるため、他の企業に対しても就活を行なっている応募者にとっては、就活が円滑に進むだけでなく、時間や心理的な負担感も軽減され、大きなプラスとなります。
リクルーター導入のデメリット
ここからはリクルーター導入に際して考えられるデメリットもいくつかご紹介します。
企業側のデメリット
リクルーター導入による注意点(デメリット)は主に二つ考えられます。
1:成果はリクルーターの質次第!?
上記したように、リクルーターはある意味、その企業の“広告塔”です。その人の言動が、直接企業のイメージへとつながっているのです。そのためリクルーターとなる人材選びには、かなりの神経を使った方がいいでしょう。
自社の理念を理解しているか、自社がどういう人材を求めているのか・・・など企業の顔としてなりうる人材を選ぶ必要があります。リクルーターという仕事を専門的に行う場合、それまで任されてきた業務とは違う仕事を担当するのですから、その分野で十分に能力があるかどうかを慎重に見極めることが大切です。
2:時間も人手も限られている
企業説明会などは、情報提供が一方通行ではあるものの、一回で多くの人数にアプローチすることが可能です。一方、リクルーターは就活生一人一人と連絡を取り合うため、アプローチできる人数にも限りがあります。就活生一人に連絡を取るといっても、面談の日取りや場所決め、実施後の報告やフォローなど、さまざまな業務が発生するため、リクルーターへの負担も否めません。
どんなに一人一人の応募者を理解したいと思っても、時間や人材確保には限りがあります。それゆえ、質の高いリクルーターを選ぶことが採用競争で勝ち抜く鍵となるでしょう。そこで注意したいのがリクルーター選びです。過去にリクルーターの言動により企業の評判を著しく落としたという事件も発生していますので、企業側はリクルーターのマネジメント管理もしっかり行っていきましょう。
応募者側のデメリット
応募者のデメリットも二つあります。
1:リクルーターと会う機会は大学によって左右される!?
基本的に、リクルーターは優秀な人材が多いと思われる大学などで活動することが主流です。そのためリクルーターと出会いたいと思っていても、自分の大学にはリクルーターが来ない/少ない/接点がないなどのケースもあります。
2:採用されたの?落ちたの?
リクルーターによる面談は、一般的な不採用通知が来ないことが少なくありません。そのため連絡がないなか、他の企業に応募すべきか、それとも連絡を待つべきかといったジレンマに直面してしまいます。そのリスクも考えた上で、リクルーター面談を受けるようにしましょう。
リクルーター導入の手順
これまで企業側と応募者側のメリット・デメリットをみてきましたが、ここからは実際に導入する際の手順をご紹介します。
リクルーター制度の構築
まずはリクルーター制度が自社に必要なのか、社内で検討してみましょう。必要性以外にも、そこにかけるだけの余力が自社にはあるのかというのを見極めることも大切です。そしてこの制度導入には、上層部の理解がとても大切となります。優秀な人材確保に向けてこの制度を導入することの重要性を社内で共有するようにしましょう。
導入する!ということが正式に決まった場合は、ルールづくりに取り掛かりましょう。
リクルーターによる面談は、飲食を伴う場での仕事が多いため、時には勤務時間外や休日出勤などでの業務が発生することがあります。そのため「面談時の飲食費はどうするのか」「休日出勤の場合は代休を付与するのか」「時間外労働の場合の手当はどうするのか」・・・など、事前に決めておくべきことはたくさんあります。
企業によっては、既存の仕事と両立してリクルーター業務を行う企業も少なくありません。リクルーターの業務が忙しい時期は通常業務の割合を減らすなど、管理者のマネジメントがとても大切です。リクルーターとして働く担当者の評価も確立する必要があります。
リクルーターが円滑に仕事ができるよう、環境を整えるとともに、トラブル防止のためにも事前にしっかりルールを構築しておきましょう。
ルールができたら、次は「自社が求める人物像」を明確化しましょう。
どのような人物を採用したいかというのを社内で決めておかないと、さまざまな応募者と触れ合うなかで採用基準が曖昧になったり、要件に満たない人材にアプローチしてしまったりするなどのミスも生じてしまいます。
欲しい人物像について社内でしっかり認識をすり合わせておくことで、よりスムーズな採用活動がスタートできるでしょう。
リクルーターの選定・育成
リクルーター導入に際し、二つのアプローチがあります。
それは「自社から選ぶ」のと、「外部に依頼する」というものです。
自社で選ぶ場合、新卒採用と中途採用とではリクルーターを変えることも大切です。
新卒採用では、学生が親しみやすい同年代の若手社員(入社1年〜5年目)が適していると考えられます。学生から見て「こんな人になりたい」と憧れを抱かせるような実力のある社員を選ぶように努めましょう。
一方、中途採用の場合は、同僚をイメージさせるような中堅社員(入社6〜15年目)の人材を当てるようにしましょう。
リクルーターを選定したら、採用計画や活動方法について説明し、一人前のリクルーターに育てていきます。リクルーターが自分の役割をしっかり理解するためにも、この時間を簡略化してはいけません。時間をかけてリクルーターを育てていきましょう。
リクルーターを外部に依頼する場合、自社を理解している企業を選ぶのはもちろん、リクルーターとしての実績もきちんと確認しましょう。そして定期的にコミュニケーションをとる機会をつくりましょう。自社が求める人物像をきちんと理解してもらうために、ただ説明するのではなく、自社訪問などで雰囲気を知ってもらうなどの工夫も大切です。
人手不足から自社でリクルーターを選定できない企業にとっては、外部への依頼は高くつくものの、リクルーターを導入できる大きなメリットがあります。ただし、外部の人材になるため、自社の最新の情報を定期的にシェアしておくことが大切です。
リクルーター活動の実施
リクルーターに出身大学の人材を起用する企業が多い理由としては、リクルーターの活動の場が広げやすいことにあります。
出身大学の教授などに直接コンタクト取り、リクルーター活動の話をすることができるなど、欲しい人材がたくさんいる大学に直接アプローチできる手段があるからです。
実際に大学へ赴き、ゼミ生などに個別説明会を開いたりできるのも、その大学の卒業生の強みです。リクルーターの活動の場を少しでも増やすことが、より多くの人材にアプローチできる鍵となるでしょう。
まとめ
採用競争が激化する今日、自社が求める人材を一人でも多く確保できるように、自社の顔となれるようなリクルーターを選定・育成することがとても大切です。そのためにも企業側にとってのメリット・デメリットもしっかりと把握しておく必要があります。採用活動の負担軽減の一つとして、外部にリクルーターを依頼することも選択肢としてあげられるでしょう。
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参考リンク:
https://one-group.jp/humanresource/ad/recruiter.html
https://bizhint.jp/keyword/14110
https://okan-media.jp/useful-recruiter/
https://rebe.jp/column/detail/1839/