面接の採用基準を決める方法は?面接で取り入れるべき項目も解説!
コロナ禍で、リモート面接だけで採用が決まることが増えています。これにより、従来以上に採用基準を体系化しておくことが重要になってきました。そこで今回は、印象に頼らず応募者を採点できる基準の設け方をご紹介していきます。対面で面接を予定している場合でも、過去に「面接での印象は良かったのに」と後悔したことがある方は必見です。
目次[非表示]
- 1.面接の採用基準を決めておくことの重要性
- 2.面接の採用基準を決めるコツ
- 2.1.求める人物像を明確にする
- 2.2.評価項目を決める
- 2.3.評価基準を決める
- 3.面接の採用基準として取り入れるべき項目とは
- 3.1.表情
- 3.2.身だしなみ
- 3.3.面接時のマナー
- 3.4.コミュニケーション能力
- 3.5.会社への理解度
- 3.6.志望度の高さ
- 3.7.主体性
- 3.8.協調性
- 3.9.チャレンジ精神
- 3.10.誠実性
- 4.面接の採用基準を決めるときの注意点
- 4.1.現場の意見も取り入れる
- 4.2.経営方針に合わせる
- 4.3.就職差別はNG
- 5.面接評価シートを作る
- 6.まとめ
面接の採用基準を決めておくことの重要性
面接において、印象の良い応募者を採用したいというのは当然のことです。しかし、「印象」という曖昧なものだけに頼っていては面接官によって個人差ができてしまいます。例えば、挨拶の元気の良さや、面接官と気が合うだけで大きくプラスになったり、出身地や家族構成が面接官の好むものでないだけでマイナスや不合格となったり。
そんなつもりはなくても、気づけば印象に頼った不公平な判断になってしまっていたという可能性もあります。場合によっては、求める能力に達していない人材を採用してしまい後々になって後悔するという結果にもつながりかねません。そうならないためにも、自社の方針を確認して、どの面接官も同じ基準で評価が可能になるような採用基準を決めておくことが大切です。
面接の採用基準を決めるコツ
では、どのように基準を決めていったら良いでしょうか。難しい問題ですから、順を追って採用基準を設定する方法をご紹介します。まずは「求める人物像を明確にする」「評価項目を決める」「評価基準を決める」ということから始めていきましょう。次項では一つ一つの背景についてご説明し、それ以降の項目で徐々に詳細な要素へと掘り下げていきます。
求める人物像を明確にする
人物像はスキルや経歴と違い、印象によって左右される部分が大きいもの。しかし、採用においては非常に重要なポイントになりますので、しっかり基準を決めておきましょう。
例えば営業職ならコミュニケーション能力が高かったり、初対面の取引先に対しても臆さず理路整然とした説明ができたりするような人物であることが求められます。反対に、技術職には営業職のような人物像ではなく、一つのことを突き詰めることができたり、正確さを保てたりする人物が歓迎されるのではないでしょうか。企業カラーや職種によってベストとされる人物像は異なりますので、自社がどのような目的で採用を行うのかを整理し、そこから求める人物像を導き出していくことが大切です。
評価項目を決める
求める人物像として「営業向きの人に好かれやすい人物を採用したい」と決めたとします。しかし、これだけではまだ十分ではありません。より細分化して評価項目を決めていきましょう。「人に好かれやすい人物」というのは、それこそ面接官の好みだけに依存することになってしまいがち。
挨拶が爽やかにできる人物なのか、どんな相手とも円滑に会話ができる人物なのか、求められる限りいくらでも丁寧に説明できる人物なのか、もしくは顧客の話にじっくり耳を傾けられる人物なのか……。もし同じ「営業」だとしても、商材などによって異なることがあります。それに合わせて、面接で見ておきたい項目を決めておくと、入社してから「イメージと違う」ということになりにくいはずです。
評価基準を決める
評価項目を決めたら、その項目をどう評価するかも合わせて決めていきます。基準を設定して数値化しておくことによって、より公平性のある評価が可能になるからです。例えば、身だしなみについて。「面接にふさわしい服装ではない=1」「スーツにしわや汚れが多い=2」「目立った欠点はないが、だらしない印象を与える=3」「一般的な身だしなみができている=4」「印象がよくなるように靴や鞄まで気を使えている=5」といった具合です。
ぼんやりとした評価基準とならないよう、どういう人物を求めているのかを検討し、それを満たす人物かどうかを判断する項目と、基準を決める。以上のように順序立てて考えておくことで、本当に求める人材を採用できる確率が高まっていきます。
面接の採用基準として取り入れるべき項目とは
評価項目を決める大切さは、すでにご説明しました。では具体的に、どのような項目を設けるべきなのでしょうか。この基準を採用担当者間で合わせておく工程は全体の基礎になりますので、慎重に行ってください。以下に取り入れるべき項目とその理由を解説していきます。
表情
面接で話の内容に注目が集まるのは当然ですが、表情も見逃せません。書類ではわからないポイントですので、面接のタイミングを逃すことなく担当者がしっかり見ておきましょう。また質問への回答とは違い、事前に準備できない面であり、緊張する場面では素が出やすいもの。
考え事をする時に相手に不信感を与える表情になっていないか、ビジネスの場にふさわしくない表情になっていないかといった点は大切です。現在はマスクを付けたまま面接を行うことも増えている状況ですので、より難しさを感じるかもしれません。しかし、特に取引先と接する職種であれば会社の顔となりますので、信頼される企業であるためにも表情は注視すべき点です。
身だしなみ
能力に直結する部分ではありませんが、身だしなみのチェックはないがしろにできません。見た目の美醜で判断するのはもってのほかですが、身だしなみは社会人として最低限、相手に失礼のないようにできるかといった「意識」を図る目安にもなります。
スーツを着崩していたり、スーツ着用ではない職種だからといって汚れた服を来ていたり、露出の多すぎる服装だったり、顔も洗わずに出社していることが明らかだったり。オフィスの雰囲気や職務内容によって、普段求められる身だしなみのレベルは異なるでしょう。しかし面接にふさわしい服装ができているかは、普段の身だしなみと全く無関係ということはありませんので、基準を設けて確認しておくことが大切です。
面接時のマナー
上記の身だしなみと同様、人と関わる上では当然に必要となる部分です。面接は採用されるか否かが決まる場ですので、応募者も最大限にマナーを守ろうとするはず。そのような場でマナーが守れていない人物であれば、実際の仕事の場面となってからマナーが良くなることはないと考えて間違いないでしょう。同僚はいわばチームメイトですから、マナー意識の低い同僚と一緒に仕事をすることによって、部署全体の志気も下げてしまう危険性すら孕んでいるのです。
面接開始時の挨拶からは、毎日の始業時に気持ち良い挨拶ができるかが見えます。時間を守れるかどうかは、毎日の始業時間や仕事の締め切りが守れるかどうかに関わってきます。一見、仕事と関係ないようでありながら、業務効率につながる場面もありますので、採用の基準としては必須項目と言っても過言ではありません。
コミュニケーション能力
職種によっては、常に外交的な態度でいることが重要でない場合もあります。しかしコミュニケーション能力とは、そのような状況を想定しているのではありません。繰り返しになりますが、同僚や上司・部下、ひいては会社全体がチームとして事業を進めていきます。そんな中で、報告・連絡・相談ができない従業員がいると、連絡系統が途切れてしまいます。
特に大きな問題に発展しかねない問題で報告が漏れてしまうと、会社にとって取り返しのつかない損害の原因になることも。ですから、質問の意図を汲んだ回答をしているか、自分の意見をしっかり伝えられているか、といった点からコミュニケーション能力を確認しましょう。これは、感じがいいかどうかより重要な視点です。
会社への理解度
面接を受ける以前に十分な企業研究をしているかどうかは、もれなく確認しておくべき点です。なぜなら、企業研究をしていない場合、業務理解度が低いだけでなく、志望度が低いことも十分にありえるからです。すると、早期の退職につながりやすくなります。
業務内容がわかっていない場合は論外ですが、企業文化を理解していない場合も危険です。実際に働き始めてから「こんなつもりじゃなかった」となりかねません。人の役に立てる仕事をしたいと考えていた人物が社内での競争に疲れてしまったり、反対に販売能力で勝負したがっていた人物が顧客との長い関係づくりに苦痛を感じたり。すり合わせておかなければ、お互いに後々の損失になりかねない部分です。
志望度の高さ
難しいことではありますが、本当の志望度を見極めることが肝です。たいていの応募者は、面接で「御社が第一希望です」と言うでしょう。しかし、それが本当だとは限りません。印象をよくするために言っている場合も多くあるでしょうし、実際にその後により志望度の高い企業に出会う可能性も捨てきれません。
だからといって、面接の短い時間で本音を引き出すことは難しいもの。そこで、将来のビジョンを聞いてみることをお勧めします。つまり「なぜ入社したいか」ではなく「入社してから、どうなりたいか」です。上記の理解度とも関連しますが、企業を正確に理解したうえで入社志望度を高め、将来のビジョンを描けている人材であれば活躍の可能性も高まるはずです。
主体性
経験やスキルはもちろん大切ですが、長く働いてもらうことを考えれば、主体性も疎かにはできません。採用の目的は、人手不足や欠員の補充といったこともあるかと思います。しかしその根本をたどれば、会社の成長に行き着くのではないでしょうか。そう考えれば、与えられた仕事をこなすだけの人材より、主体性を持って自ら新しい仕事を開拓していくような人材の方がベターなのは間違いないでしょう。
また、自主的に学び成長していく姿勢も欲しいところ。若手の頃に身に着けたスキルだけを使いまわしていくようではすぐに限界が見えてしまいます。自らを成長させることによって企業の成長に寄与し、企業の成長によってまた個々の従業員も成長していく。そのような指向性を持ち、主体性のある人材を採用することで、そのような好循環の素地も育まれていきます。
協調性
しつこいようですが、会社はチームです。そのため、協調性が必須であることは言うまでもないでしょう。協調性がない人物は業務に直接的な悪影響を及ぼすだけでなく、チーム内にゴールを共有できない人物がいることで結束がゆらぎます。また、その人物の後輩が入社した際に「自分もあのような態度をとっていい」と勘違いさせてしまう可能性まであるのです。
各人がそれぞれで最大の力を発揮しさえすれば自ずと業績が上がる、というような組織であれば問題ないでしょうが、多くの職種ではチームワークが求められます。もし面接官自身が「一緒に働きたくない」と思ってしまうような協調性のない人物であれば、現場でも同じように思われるはずです。そのことを頭に入れて面接を行うことが大切になります。
チャレンジ精神
将来的な成長を見込みたい企業であれば、企業自身もチャレンジを繰り返していかなければなりません。また事業のIT化や在宅勤務の増加といった、時代の変化についていかなくては生き残れません。そのため、従業員にチャレンジ精神があることは、大きな価値となるでしょう。
例えば新しい事業の提案や、社内ルールの変更を提案することは分かりやすいチャレンジです。しかしそれだけでなく、新しいシステムの導入をしたり、在宅勤務を推し進めたり、勤務時間の制限をなくしたり。そのような変化に前向きに対応していくこともチャレンジといえるのではないでしょうか。効率化や柔軟な変化が、企業の生き残りに直結してくる世の中において、チャレンジ精神は不可欠だと言えます。
誠実性
仕事の期限を守る責任感、機密を漏らさない倫理観、人の目がなくてもサボらない真摯な姿勢。これらも誠実性の一つです。もしこのようなことが守れない人物であったならば、常に上司からの監視や同僚からのサポートがなければ仕事が成り立ちません。すると本人の業務が滞るだけでなく、管理の手間もかかってしまい、現場が大きな負担を負うことになります。
特に、在宅勤務などで管理が難しくなっている昨今ですから、物理的にも心理的にもお互いに良い影響はないでしょう。顧客情報などを扱う事業であれば、なおさらです。人間ですからミスがあるのは仕方のないことですが、それを防ごうとする姿勢を持つことは可能ですから、企業の利益を守ろうという誠実性を持った人材であるか見極めることが肝要です。
面接の採用基準を決めるときの注意点
ここまで、見るべき項目の例を取り上げてきました。とはいえ、面接の時間内で全てチェックすることは難しいので、重視すべきポイントを絞って確認するべきでしょう。そこで、重視する点を決める際の注意点をあわせてご紹介します。もう一度基本に立ち戻ると、面接では個人の印象に依存しないことが鍵でした。偏りのない採用活動をするためにも、多方面からの意見を取り入れて決定を下すことをお勧めします。
現場の意見も取り入れる
採用された人材と一緒に働くのは、現場の従業員です。ですから、チームメイトの意見を無視するわけにはいきません。今、どういうスキルのある人物が必要だと感じているのか、どういう人物像であればチームの結束が高まるのか。例えば中堅社員の多い部署では、勢いのある若手が欲しいと思っているかもしれませんし、自分たちと同じような落ち着いた中堅が欲しいと思っているかもしれません。その点については、実際に現場の意見を聞いてみないことにはわかりません。
人事部が勝手に「このような人物がほしいはずだ」と思い込みで決めてしまうのは危険です。現場の考え方や希望と相違のないように、採用基準を決める前にしっかりヒアリングをしておきましょう。
経営方針に合わせる
どの企業も優秀な人材を欲しています。しかし、ある企業では優秀とされた人物が、他の企業では評価されない場合もあります。もしくは、誰が見ても優秀な人物であったとしても、経営の方針とマッチしていないという場合もあるでしょう。いずれにせよ、そのような状態では入社してからの活躍は難しいもの。
ですから、改めて自社について振り返ってみることが必要です。そのうえで「自社の経営方針に合っていて、かつ求めるスキルを持っている」人物を探すことになります。場合によっては、方針さえ合致していればスキルはなくても成長を待てるという場合もあるかもしれません。いずれにせよ、企業と求職者で目線が違っていては活躍が難しくなりますので、事前に自社を省みることが重要です。
就職差別はNG
年齢や性別によって差別することは、労働基準法で禁止されています。求人票に記載できないだけでなく、年齢や性別を理由に不採用とすること自体が禁止されています。加えて出身地域や障害などによる差別も禁止です。
ただし、労働基準法には例外事由があり、定年を上限として年齢制限をしたり、防犯上の理由で性別を限定したりすることが可能です。とはいえ許されるのは特定の場合だけであり、「受付だから若い女性がいい」は差別のため基準とすることはできません。反対に、演劇で20代女性の役を年齢・性別に関係なくできるとは言えませんので、20代女性に限って応募することが正当と認められる可能性も高まります。このように特殊な例を除いては差別とみなされますので、基準を決める際の参考にしてください。
面接評価シートを作る
評価項目と評価基準が決まったら、採点しやすいように形にしておくと便利です。このシートを全員が使うことで、面接官による評価のブレを限りなく減らすことができます。これまでご紹介してきたように、以下のような内容を記載していくことをお勧めします。
• 応募者情報
• 身だしなみ
• 視線
• 表情
• 声の大きさ
• 志望動機
• 自己PR
• 成功体験
• 失敗体験
• 主体性
• 行動力
• 課題発見力
• コミュニケーション能力
• 向上心
• ストレス耐性
• 面接官コメント記入欄
• 合否欄
このような内容をまとめたのが、以下の「面接評価シート」です。独自の判断基準が決まっているのであればオリジナルを用意されるのが良いと思いますが、初めてでしたら、以下のシートを参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
面接はフィーリングで決めるというのは過去の話です。AIを用いた面接が導入されていることからも、数値化の必要性は認識していただけることと思います。数値化することで選考自体の効率化が可能です。また、効率化ツールとしてあわせてお勧めしたいのがインタツアーです。学生が企業を取材して記事を作成し、SNSで拡散するものです。そのため、質の良い母集団形成の一助にもなります。ぜひ、インタツアーで応募者の質の変化を実感してみてください。
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