採用要件・人物要件とは?作り方や要件定義に役立つフレームワークを解説

採用担当者を悩ませるのが「採用要件」。
みなさんは、この定義、そして必要性を正しく理解していますか?
実は採用要件は、知れば知るほど奥深いものなのです。この記事では、採用担当者向けに採用要件について、作り方や役に立つフレームワークなどを紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.採用要件とは?
    1. 1.1.採用要件が必要な理由
  2. 2.採用要件・人材要件の作り方
    1. 2.1.関係部署へヒアリングし、求める人物像を明確化する
    2. 2.2.人材要件の項目と優先度を設計する
    3. 2.3.面接担当者に人物要件を共有する
  3. 3.要件定義に役立つフレームワーク
    1. 3.1.ペルソナ・ターゲットの設定
    2. 3.2.コンピテンシーモデルを設定する
  4. 4.まとめ

採用要件とは?

採用要件とは、自社が求める人材を見分けるための基準です。

採用担当者や面接官も人である以上、採用の基準が明確化されていないと “この人なんとなく良さそう”といった主観によるブレが発生してしまいます。応募者に感情移入したり、面接の場が盛り上がったりすることで次の選考に通過させてしまうケースも実際に発生しています。

そのような主観によるブレをなくすために設けるのが、採用要件です。これを具体的に定め、採用担当者間で共有することで、厳格な選考を実施しやすくなるのです。


採用要件が必要な理由

採用要件は、人材の採用において重要な役割を担います。その理由は主に2つあります。
まず挙げられるのが、採用活動を公平・客観性を保つためです。採用要件がなければ、面接官A
は採用を強く主張しているのに対し、面接官Bが不合格するというようなケース、いわゆるブレが発生してしまう可能性があるからです。面接官も人間ですから、どうしても主観が入ってしまうものです。それを極力避けるためにも、とても重要です。

そしてもう一つは、雇用上のミスマッチを防ぐためです。自社が求めるスキルや価値観に人材がフィットしなければ、次第に雇用者のモチベーション低下を招き、最悪な場合、内定辞退や早期離職などにもつながりかねません。それは採用した人材が期待はずれだったのではなく、選考基準が曖昧だったために生じた事態とも考えられます。採用要件を具体化することで、ミスマッチを防ぐだけでなく、自社が求める人材によりリーチできる採用活動ができるようになります。



採用要件・人材要件の作り方

では採用要件・人材要件の作り方の手順を見ていきましょう。
作成の手順は次の3ステップとなります。
①関係部署へヒアリングし、求める人物像を明確化する
③人材要件の項目と優先度を設計する
④各所へ確認を促し、完成したら面接担当者に共有する

各ステップの具体的な内容を、以下で説明いたします。


関係部署へヒアリングし、求める人物像を明確化する

採用要件作りでまずとりかかることは、関係部署にヒアリングをして自社が求める人物像を明確化することです。
現場の声としては「即戦力になる人がほしい!」と思っていても、ヒアリングを怠ると、業界未経験の人を採用して社内でミスマッチが発生してしまい、最終的には離職につながりかねません。人材を必要とする部署にきちんとヒアリングをして、「どういう人に働いてほしい」か「どういうスキルがある人を求めているか」など具体的な人物像を共有しましょう。

そして、自社の採用の目的や経営理念、そして今後の経営戦略といった社内の情報収集にも努めましょう。自社の理念や今後の動きを把握しておかないと、自社の計画から外れた採用活動となってしまうリスクがあるからです。

より具体的に考えていく、というのを忘れずに取り組みましょう。


人材要件の項目と優先度を設計する

次に人材要件の項目を設定し、優先度をつけてみましょう。
要件の項目としては、下記のものが代表的なものとして挙げられます。
・能力・スキル(専門性・資格など)
・経験
・志向性(価値観や将来のビジョンなど)
・属性(性別・年齢・地域など)
・人物・人柄(適合性や正確など)
・勤務条件(給与・勤務時間・勤務地など)

実際に業務を行うにあたって必要なスキルや経験などを該当部署にヒアリングしましょう。具体的な内容が出てこない時は、現在の部署で活躍している社員をモデルにし、その社員がどんなスキルやマインドを持っているかなどを分析していくと良いかもしれません。

残念ながら、要件の項目すべてを満たした応募者はなかなかいませんので、自社が人材要件として「何を一番大切な要件とするか」絞る必要があります。そのために必要なのが優先度付けです。
絶対に必要な要件はMUSTに、あれば良い/後から身につけてもらえばよいという要件はWANT、これは要件として不要なものはNEGATIVEの3分類で考えてみると、人材要件の作成がやりやすくなります。

要件の項目及び優先度付けが完成したら、関係部署に確認をしてもらいましょう。作成前に聞いたヒアリング内容と差異がないかを確認することが大切です。


面接担当者に人物要件を共有する

人物要件が具体化し完成したら、面接官に内容を共有しましょう。
共有や説明を十分に行わないと、面接官の認識と齟齬が生まれ、せっかく作った要件も意味がなくなってしまいます。採用要件一つ一つの項目の理由を面接担当者に伝え、理解してもらうことで不均一な採用活動を減らすことができます。

もし時間に余裕があれば、面接実施前に模擬面接で評価練習を行うとさらに効果的です。評価練習は面接官同士の目線合わせはもちろんのこと、要件理解の共有も行えるからです。



要件定義に役立つフレームワーク

ここからは要件を具体的に定義する際に役立つフレームワークを2つご紹介します。

・ペルソナ・ターゲットの設定
・コンピテンシーモデルの設定

この二つの設定がどう役立つかを各項目に分けて以下でご説明します。

ペルソナ・ターゲットの設定

ペルソナ(Persona)とはスペイン語に由来し、英語では人を指すPersonのことです。採用時で使用するこの「ペルソナ・ターゲット」とは、採用したい人物像(ペルソナ)を、まるでその人物が実在しているかのように設定することです。

例えば、
・年齢
・居住エリア
・行動特性(性格や志向)
・休日の過ごし方
・キャリアプラン

などが上げられます。

採用担当者は、人材を求める部署からどういう人材を求めているのかヒアリングをしながら、人物像を作り上げていきましょう。一度で完成させるのは難しいので、社内で何度も話し合いを持って、具体的な人物像を作り上げていきましょう。

これを実施する理由は、面接時に面接官同士で「この人を採用したい!」という人物像を共有しやすいだけでなく、面接官が変わるごとに採用基準が変わらないよう、安定した採用活動ができるというメリットもあるからです。


コンピテンシーモデルを設定する

コンピテンシー(Competency)とは、高いレベルの業務成果を生み出す行動特性を指します。コンピテンシーの設定とは、高い成果を継続かつ安定的に生み出している社員の特徴的な行動(何を、どんな環境で、どのように実施したか)を具体的に抜き出して分析し、それを積み上げていく中で行われるものです。

例えば、社内でハイパフォーマーの人材を選出し、その人の行動特性や考え方を調査・分析します。募集職種に合わせて類型化したものを「コンピテンシーモデル」と呼びますが、そのモデルが「どのような成果を上げたのか、そのために何をしたのか」をヒアリングするなどして情報をかき集めましょう。

これを行うメリットは、面接時に聞いた質問に対して、面談者の回答とコンピテンシーモデルの回答が近かった場合、面談者の行動特性が高いパフォーマンスを上げる人物に近いということが予測できます。それは将来的にコンピテンシーモデルになるような人物を採用できることにつながるからです。

設定したコンピテンシーモデルはその組織・団体の指標となるものなので、ハイパフォーマーとそうでない従業員との違いを検証するなど時間をかけて設定していきましょう。



まとめ

採用要件とは、一見簡単なようで、それが企業の将来の指針となるものなので、時間をかけて作成していく必要があります。
これから要件を作成する/見直す企業におすすめしたいサービス媒体が、学生とSNSを駆使した新しいリクルート方式「インタツアー」です。学生の目線で企業をPRしてくれる最新のサービスで、最近の学生がどのような興味・関心があるのか情報収集することができます。

これまでの採用要件を見直す際、ぜひ最新の採用動向をこのインターツアーで調べてみましょう。自社に役立つ情報が盛りだくさん掲載されています。

参考リンク:
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11799.html
https://hrnote.jp/contents/a-contents-3417/
https://ferret-plus.com/8116
https://recruiting.cast-er.com/articles/tips/saiyo-yoken.html
https://www.jmsc.co.jp/corporate/recruit/124/

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